不服審査請求手続について

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1.不服審査請求手続の進め方

行政書士が作成し官公庁に提出した許可申請が不許可になった際には、特定行政書士が不服審査請求の手続き代理を行うことができます。
不服審査請求については、主に下記のようなケースが想定されますが、これ以外の法令で不許可処分、不作為、不受理等が発生した際にも迅速に対応いたします。 

①情報公開請求

情報公開請求をしたが、非開示の処分が下った場合、あるいは一部非開示だったために必要な情報が入手できなかった場合には、当事務所が代理人として不服審査請求などの情報開示にむけた申請手続を進めます。

②都市計画法(開発許可、60条証明等)、宅造法、建築基準法、古都法

れらの法律に基づく許可申請において不許可処分、不作為、不受理が発生した際には、当事務所にお問合せください。都市計画審議会、建築審査会、開発審査会、景観関連審議会への対応実務において豊富な経験を有する当事務所のノウハウを生かして、より有効な行政手続を進めます。
 
行政書士業界においては、都市計画法や建築基準法を専門業務にしている方はあまり多くいません。それはどうしてでしょうか。
 
行政書士は、資格試験に合格する他に市役所などの行政事務経験が17年以上あれば無条件に得られる資格なのですが、それは一般事務職を想定したものであって、都市計画法等に関わりの深い建築や土木技術職で採用された職員は、実際に許可事務に携わっていた年月しか行政事務の経験年数にカウントされないのです。

しかし、設計や現場監理など幅広い分野を受け持つ技術職が、許可業務関連の職場に通算17年以上も勤めるということは極めて稀な事態といえます。このため、都市計画や建築基準法の手続に精通した行政書士があまりいないというのが実情になっているのです。

不服審査の業務を依頼される際におよんで、依頼者自らが開発許可基準や市街化調整区域について一から説明するような展開では、肝心の審査庁への説得はとうていおぼつかないというのは、言を重ねるまでもないでしょう。
 
不測の事態に直面された際には、都市計画法、建築基準法の実務に精通した当事務所にぜひご相談ください。

③ 地方自治体の条例による許可(美観地区条例・風致地区条例・太陽光発電設備設置条例等)

国の法律に基づく許可は全国一律の判断が求められますが、こと地方条例に関してはそれぞれの自治体の恣意的な判断が少なからずあります。

たとえば、かつて大規模な違反造成が行われ行政代執行により原状回復した土地であることを理由に長年にわたりあらゆる条例許可が凍結されているかもしれません。あるいは、防災警戒区域の指定はないが、小高い丘の上の土地がなんとなく崩れそうだからと 建築禁止要望請願を市議会に提出して採択されているかもしれません。

さらには、近隣に迷惑施設が建ちそうだと、周辺住民の反対署名を集めて市長に提出しているかもしれません。
 
これらの土地に建築等の許可申請をした場合、許可はできないと通告してくる可能性は十分にあります。とはいえ、当然行政側も不許可にするのは無理筋だということは分かった上での判断ですから、不許可の処分を避けて、受付拒否か「単に預かっているだけ」という体裁をとります。しかし、この処理方法が行政手続法に抵触するのは、今日ではもはや常識の範疇です。
 
地方自治体の条例による許可がおりなくてお困りの節には、ぜひ当事務所にご相談ください。

④生活保護申請

生活保護申請をしたが却下処分となった場合、当事務所が代理人として不服審査請求を行います。
また口頭の相談に終始していつまでも申請書を受理してもらえない場合には、当事務所が代理人として申請手続を行います。

⑤旅館業法、民泊新法、食品衛生法、埋葬法等

これらの許可申請等が不許可処分となった場合、あるいは事前協議のままでいつまでも放置されている場合、さらには申請が受理されない場合は、当事務所にお問合せください。それぞれの状況に応じた有効な行政手続を進めていきます。

 

2.不服審査請求手続の実務

①不服審査請求の役割

不服審査請求は、請求手続そのものに目的があるのではなく、本来許可されるべき案件の許可を得るために行うものです。したがって、当初の目的が達成できるのであれば、あえて不服審査請求手続にこだわる必要はありません。

不服審査請求は、目的を達成するための一手段に過ぎないということです。実務に目を向けると、許可・不許可の段階に至ることなく、事前相談の段階で根本的な修正が求められたり、申請そのものを見送るよう説得されるケースが多く見受けられます。

また情報公開請求においては、開示されたのはいいが、一部黒塗りの状態で開示されたために、本来知りたかった情報がなにも分からないといったことがあります。あるいは申請をしたのにいつまでも判断が下らない不作為といった事態に遭遇された方もおられるでしょう。

当事務所では不許可処分への対応ばかりでなく、門前払い、事前相談段階での保留、不作為といった状況を余儀なくされたケースにも対応しています。当該処分庁(役所)の意図をしっかり把握したうえで、依頼者の目的を達成するために最も適切な手続を進めていきます。

このため状況によっては、不服審査請求手続を経ることなく、再申請、書類訂正、追加書類の提出、補足説明等などの別の手立てによって目的が達成できることもあります。

②不服審査請求手続は現実的な業務か

ところで、不服審査請求の代理手続業務は、現実的な業務となり得るのでしょうか。

日常生活に直結した申請は、本人が直接市役 所や区役所に出向いて行うことが多いと思います。スムーズに申請が通ればそれに越したことはありませんが、中には却下されたり、いつまでも決定がおりないことも少なからずあります。
 
総務省の調べによると平成26年度には、国と地方へのものを合わせて10万件以上の不服申立がありました。そもそも受付すらしてもらえない、いわゆる門前払いの扱いをされていたものや、甘んじて却下を受け入れた件数も含めると、申請が認められなかったケースは相当数あるということになります。 
 
このような事態になれば、いよいよ特定行政書士の出番となります。特定行政書士は、行政に対する不服審査請求の代理業務を行うこと ができる資格です。

ただし特定行政書士が不服審査請求を行えるのは、行政書士が代理申請をしたものに限られますので、既に処分の下ったものについては、 特定行政書士が代理人となって改めて当該申請を行い、同じように却下となった際には不服審査請求の代理人としてしかるべき手続を行います。

再度同じ申請 の手続を踏むのは一見手間がかかるように思われるかもしれませんが、書類の不備や添付書類の不足で却下されたのであれば、手続の専門家である行政書士が 代理申請することですんなりと認められ、結果として不服審査請求に及ぶまでもなかったということもあるかもしれません。  

それでは、現実問題として、特定行政書士が不服審査請求の代理をする事態は発生するのでしょうか。これも総務省の資料から拾い上げていくと様々な法律で実際にあり得ることが垣間見えてきます。いくつか例を挙げてみましょう。

①情報公開条例……情報開示請求を行ったが、まったく公開されなかった。あるいは、一部しか公開されなかった。
②生活保護法……生活保護申請をしたが受給が認められなかった。
③入管法……難民認定申請をしたが認められなかった。
④都市計画法……60条証明の発行を求めたが、基準に合致しないとして発行されなかった。
⑤建築基準法……用途変更の建築確認申請をしたが、不適合処分になった。  
 
まだまだありますが、主なところではこういったところでしょうか。 

これらの法律については、行政書士が代理申請をしていれば、不服審査請求は可能です。もし実際に役所への申請関係でお困りの方がおられましたら、ぜひ当事務所にご相談ください

③地方条例に対する不服審査請求手続

行政書士の仲間内の中にも、「不服審査請求は、どうせみんな弁護士に頼むのだから、特定行政書士など無用の長物だ」という論調があります。しかしそれは、私の認識とは真逆です。
 
従前多くの法律が前置主義をとっていました。前置主義……すなわち、訴訟の前に必ず行政に不服申し立てをして裁決を得ない限り提訴できないという法体系です。いくら弁護士に依頼してただちに提訴しようとしても、まず不服審査を通過しないとどうにもならなかったわけです。これが、ほとんどの法律で廃止されました。

弁護士としては、実績に結び付かない不服審査請求などは当然の如く回避して裁判所へ直行する道を選択する筈です。したがって、不服審査請求に関していえば、特定行政書士の需要は 今後高まるであろうと私は踏んでいます。
 
とはいうものの、 ご推察のとおり不許可処分や不作為の案件にそうそう出くわすものではありません。「そもそも不許可のような不名誉な処分を受ける行政書士は無能だ」という声があるのも私は知っています。しかし、その気になって探せば不条理な扱いを受けている案件はいろいろと見つかるものです。

これまでは、特定行政書士という制度がなかったが故に見つける努力を怠っていたに過ぎません。その最大の「金鉱」が、地方自治体の条例に基づく許可にあると私は考えています。というのも、法の場合、基本的には全国一律の判断が求められますし、著しく逸脱した場合などは、国からの指導が入ります。

したがって地方自治体の独自の指導が入る余地はほとんどありません。しかし地方自治体の条例の場合は、当然のことながら他都市の動向を気にすることはありませんし、国から苦言が呈されることもありません。

したがって条例許可に関しては、相当に自治体の恣意的な判断が介在しています。たとえばA市風致地区条例なるものがあると仮定した場合、かつて大規模な違反造成が行われた地域であることを 理由に長年にわたり全ての許可が凍結されているかもしれません。

あるいは防災警戒区域の指定はないが、小高い丘の上の土地がなんとなく崩れそうだからと 建築禁止要望請願を市議会に提出して採択されているかもしれません。広大な敷地に迷惑施設が建ちそうだと、周辺住民の反対署名を集めて市長に提出しているかもしれません。

それらの土地に、建築の申請が出された際に、申請者(代理人)に許可できないと通告している可能性は十分にあります。当然行政側も拒否をするのは無理筋だということは十分に理解していますから、さすがに不許可処分にするわけにもいかず、多くの場合はそもそも受付拒否か単に預かっているだけという体裁をとっている筈です。

これらの行為が、行政手続法(条例)に抵触していると見なされるのは、もはや常識の範疇です。あるいは、過去に敷地内 の建築物が違反をしていて未だ是正をしていないことをもって、太陽光発電の設置や樹木の伐採を認めないという、「江戸の仇を長崎で討つ」ような、基本中の基本を無視した愚行に及んでいるかもしれません。 
 
こうした行政の勇み足案件を「発掘」した上で、改めて法令の原則に従って正攻法で申請をすると、歴史に風穴を開けるような意外な展開が待っているかもしれません。それこそ展開によっては、特定行政書士の出番も十分に考えられます

3.ケーススタディ

不服審査請求手続は、次のようなケースが想定されます。

①難民不認定

申請者は、本国において民主化運動指導者と社会活動を行い、日本においても反本国政府団体に加入し活動を行っていることから、帰国すれば本国政府による迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請を行ったが、申請者の供述を前提としても、デモへの参加程度にとどまり、難民条約上の迫害があるとは認められないとして不認定となった。申請者はこれを不服として審査請求を行い、供述と合わせて追加資料を提出した。

②農地転用の不許可

農地の一部を加工施設建設のために農地転用の許可申請を行ったが、加工施設からの排水や日照が近隣農地に影響を与えるとして不許可になった。許可権者である県知事に農業委員会に当該申請利害を有する者の縁戚が委員として入っていたためめ、審理過程が不透明であり、不許可は当該農業委員の意見の影響が大きいとの判断が排除できないとして、不服審査請求をした。

③建設業の不許可

建設業の許可申請を行ったところ、経営実務の管理責任者とした者の経験年数が要件を満たさないことや、経営実務の管理責任者の常勤性に疑義があるとして、不許可とされた。経験年数や常勤性の考え方、基準が明確でなく、その判断を見直す余地があると考えられることから、不服審査請求をした。

④産業廃棄物処理施設設置の不許可

産業廃棄物処理施設の設置許可申請を行ったところ、申請先の自治体においては、条例により周辺住民の合意形成を要件としており、その要件を満たさないことをもって不許可とされた。合意の判断に異議があるため、不服審査請求をした。

⑤開発許可申請の不許可

開発許可申請を行ったところ、幹線道路に至る道路の一部の必要幅員が不足しているとして不許可となった。しかし、この不足部分は、不法占拠により発生しているものであり、これを解消した場合は、許可要件を満たすことが明らかなことから、不服審査請求をした。

なお本ケースの場合、設計事務所等が代理行為をしていた場合は、申請者本人が弁明書を提出し、自らが審査庁等に弁明をする必要がありますが、行政書士が代理人として申請していた場合は、弁明書の作成、提出及び弁明は特定行政書士に委任することができます。

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ことの葉行政書士事務所
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