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「やがて書きあぐねてブログ」             


好意的な書評「遠い橋」

文学評論家・横尾和弘氏の「文芸同人誌の最前線」で拙作「遠い橋」が取り上げられました。

切塗よしを「遠い橋」(「あるかいど」65号) 現代的な素材である職場でのセクハラを描いた。公務員の男性は、かつて付き合っていた同じ職場の部下の女性から告発を受ける。そして故郷の情景、父のことを思い出す。小説として完結してそつのない作品で感心した。形容、比喩、擬態・擬声などがあるともっとよくなる。


尊厳死宣言公正証書

公正証書は、公証人が作成する書類であり、真正に成立した文書として証拠としての効力があるとされています。 その公正証書のなかで最近注目されているのが、尊厳死宣言公正証書です。

近年過剰な延命治療を打ち切って、自然の死を迎えることを望む人が増えていることから尊厳死宣言公正証書が作成されるようになりました。

「尊厳死」とは一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせること」と解されています。
 
近代医学は患者が生きている限り最後まで治療を施すという考え方に忠実に従い、生かすべく最後まで治療を施すことが行われてきました。

しかし延命治療に関する医療技術の進歩により、患者が植物状態になっても長年生きている実例などがきっかけとなって、単に延命を図る目的だけの治療が果たして患者の利益になっているのか、むしろ患者を苦しめ、その尊厳を害しているのではないかという問題認識から、患者本人の意思(患者の自己決定権)を尊重するという考えが重視されるようになりました

我が国の医学界などでも、近年は尊厳死の考え方を積極的に容認するようになりました。また患者の立場となる側からも、過剰な末期治療を施されることによって近親者に物心両面から多大な負担を強いるのではないかという懸念から、自らの考えで尊厳死に関する公正証書作成を嘱託する人が出てくるようになってきました。  

尊厳死宣言公正証書とは、嘱託人が自らの考えで尊厳死を望む、すなわち延命措置を差し控え、中止する旨等の宣言をし、公証人がこれを聴取した結果を公正証書にするものです。  

必ずしもすべての医師が、この公正証書によって延命措置を中断するわけではありませんが、尊厳死の普及を目的している日本尊厳死協会の機関誌「リビング・ウィル」のアンケート結果によれば、同協会が登録・保管している「尊厳死の宣言書」を医師に示したことによる医師の尊厳死許容率は、9割を超えています。

このことからすると、医療現場でも大勢としては尊厳死を容認していることが窺えます。  

尊厳死を望む場合、そのような状況になる以前に担当医師などに尊厳死宣言公正証書を示す必要があります。この公正証書の作成に際しては、煩雑な作成過程では行政書士などに委任して作業を進めてもらうことができますが、いよいよ最終段階のその日だけは、自らが公証役場に出向き公証人が読み上げる文面に同意したうえで原本に実印を押す必要があります。

したがって、健康なうちに尊厳死宣言公正証書を作成し、信頼できる肉親などにこの正本を預けておくことが何より重要だといえます

ペットの生涯を民事信託で守る仕組

通常、民事信託について説明する場合、「委任者」「受任者」「受益者」などの専門用語が登場しますが、分かりやすくするために、あえて、それらの用語を使用せずに説明します。

たとえばこんな事例があったとしましょう。
A子さんはゴン太という柴犬を飼っています。でも最近心配なのは高齢の自分が万が一病気になったら誰がゴン太の面倒をみるのかということです。

こんなときに活用できるのが、民事信託なのです。  
それでは、これを前提に話を進めましょう。

A子さんには信頼できる長女がいます。しかし既に結婚して遠方に住んでおり、かつマンション住まいでペットを飼える環境にありません。どうも長女にゴン太の世話を頼むのは無理な状況です。

さいわいA子さんには犬が好きな友子さんという友達がおり、万が一のときにはゴン太の面倒をみてあげると心強い言葉もいただきました。

でもここでA子さんが不安に思ったのは、いざ預ける事態になったときの飼育費用です。食事代はもちろん、病気にもなれば多額の治療費が必要です。かといって、友人とはいえ他人に百万円程度のまとまったお金を渡すのもどこか抵抗があります。

悪く考えれば、ゴン太が早逝した方が多額の残金を手にすることができるのですから、飼育もおざなりにされるのではないかという不安が過ります。

こんなケースでは、長女に資金を信託する民事信託契約をすればいいのです。信託用の口座を開設して、そこに資金を預けます。こうするとあくまでお金を管理するのは長女です。

A子さんが元気なうちは、それまでと全く変わらない生活をしますが、万が一痴ほう症になりホームに入居するようになった際には、友子さんにゴン太を預けることにします。飼育費用と謝礼金を、長女が信託用口座から友子さんに毎月に振り込むことを予め契約で設定しておけばいいのです。

ここで、心配性の方なら、さらなる不安が起こるはずです。はたして友子さんは、ゴン太を丁寧に扱ってくれるのだろうかと。その場合は、民事信託のコンサルタントをしてくれた行政書士などに監督員の役目を依頼する仕組みがあります。監督員は定期的に友子さんのもとを訪ねてゴン太の飼育状況を確認し、長女に報告をします。

これでほぼあなたの心配は解消できるのではないでしょうか。この民事信託契約はあなたの死後も有効に働きます。そしてゴン太の死後、無事にその役割を終えるのです。  

これはほんの一例ですので、状況によっていろいろなパターンが考えられます。つまり、民事信託は、個々の状況に合わせて役割構成を設計するオーダーメイドの制度なのです。いずれにしても、本人が元気なうちに民事信託契約を作成すること が肝心です

水掛け論の水でお茶を沸かす方法

役所から誤った情報をもらい苦い思いをした人はいませんか? 後で抗議をしても知らぬ存ぜぬの一点張り。口頭でのやりとりだったため何の証拠もなく泣き寝入りするしかありません。そんな事態を未然に防ぐ裏ワザをご紹介します。

役所は異動やら新人の配属などで陣容がごろりと変わります。このため、業務に精通していない職員が窓口で対応することがしばしばあります。職員も 四苦八苦しているのでしょうが、我々が最も困るのが不正確な説明を受けることです。

説明どおりに書類を作成したのに、後日提出したらダメ出しをされてまた 一からやり直しという経験をされた方は少なからずおられるのではないでしょうか。

「あの時、こう言いましたよね」と詰め寄っても、「言ってない」 と白を切られるばかり、つい激昂して大声でも出そうものなら、奥から管理職らしき人が出てきて、「まあまあ」と宥められ、挙句の果ては、「言った言わない の水かけ論はきりがないから、ここは仕切り直ししましょう」と相手のいいようにお茶を濁されるのがおちです。

誰しも濁ったお茶など飲みたくないでしょう。では、この濁されたお茶をクリアで美味しいお茶に変えるにはどうすればいいでしょうか。たとえば、こんな事があったとします。

【事例】
ペッ ト美容室の開業を目論んでいたトリマーが絶好の物件を見つけました。用途地域は、第一種住居地域です。営業可能な用途地域か気になったので、役所の窓口に 出向いて聞いたところ、すげなく「無理」と言われたのでこの物件は諦めます。

ところが一年後にたまたまその物件の前を通ったところ、驚いたことにライバル の経営するペット美容室が開業されており、しかもかなり繁盛している様子です。

当然トリマーは、怒り心頭で役所に怒鳴り込みますが、担当者から、「第一種住居地域でダメと言うはずがない。そもそもあなたから相談を受けた記憶すらない」と堂々と言い切られ、反論のしようもありませんでした。

これはたとえ話ですが、おそらく似たような話は山ほどあるでしょう。もし、職員の受け答えに不安を感じたり、いかにも新人で頼りないと思った場合は、事務所に帰ったらただちに窓口での会話を「協議議事録」としてまとめてください

「協議年月日、時間、場所、担当者の名前」このあたりは基本です。「担当者の名前」は必須ですから、協議前に名札で確認してください。名札のないような職員は協議相手として不適切ですから、名札をつけるよう要求するか担当を変えるよう求めましょう。

そして肝心の協議内容ですが、こちらの質問と相手の回答を簡潔に書き込みます。Q&A形式でもいいでしょう。文面の最後に、「議事録に誤りのある場合は、ご連絡ください、速やかに修正します」と記し、こちらの連絡先を明記しましょう。さらに、相談時に提示した地図や写真などの写し も添えておきます。

こうして完成した協議議事録を担当者の所属する部署宛てに送付します。(○○市役所○○課御中)と部署名に宛てて送るのが大事 なポイントです。間違っても、応対した窓口担当者名を宛名に記してはいけません。担当者宛てだと、郵便物はアルバイト等の職員が単純に仕分けして、担当者の机の上に直行します。

役所といえども堅い郵便物ばかりでなく、個人宛にラウンジバーからの案内や情報会社からのDMなどが届きます。これらはあくまで私物扱いです。せっかく苦労して作成した議事録も、それらと同列になってしまい、担当者の机の奥深くしまい込まれる可能性が十分にあります。

ところがこれが部署名宛てだと、アルバイトや不慣れな職員では誰に手渡していいのか判断ができませんから、庶務担当の職員に判断を委ねることになります。この職員が開封して業務上の文書だと判断すれば、その郵便物に収受印が押され晴れて公文書となるのです。

1週間ほど待って訂正等の連絡がなければ、その自らが作成した協議録を情報公開請求してください。担当者が協議録を内部でどう処理したかに関わりなく、ほどなく開示の決定が下されますから、その写しを入手 すればいいのです。これでもう「水かけ論」だと一蹴されることもなく、この協議録をスタート台として、さらに次の段階に駒を進められるのです。

また、こうすることで、職員も自分の誤りに気付き、不慮の事態を未然に防ぐ予防策にもなります。実は職員の方も、後で誤りに気付いたものの伝えた相手の連絡先が分からず苦悩しているということが多々あるようです。その意味では、双方にとって有効な手段だともいえるでしょう。

情報公開の対象となる公文書というと、ついきちんと決済をとった決定書のようなものを連想しますが、そればかりではありません。業務で作成したすべての文書、さらにはメモ書きまでも対象になるのです。

先の例のように外部から届いた文書や役所内部の意思決定経過の記録も対象となるのはもちろんのこと、窓口で の協議の際に担当者が自らの忘備のために記した手帳のメモなども情報公開文書の対象となります。ダメもとでメモを請求するのもひとつの手かもしれません。

 



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